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「ジェネレ―ションフリーの社会」読後に思う事 [社会保障]

我が国の平均寿命は男性が80歳、女性は87歳と長寿になった。定年が60歳は余りにも早過ぎ、定年後の人生に不安が付き纏う。まだまだ元気に働ける働き盛りの熟達した労働力を定年と称し早期に退職に追い遣り、其れまで働いていた社会から追放してしまう。之は国家的にも大いなる損失であり、人生85歳時代に於ける制度上の欠陥でも有る。此の様な制度は早期に改訂し、近い将来にやって来る労働力不足に備える事が急務ではなかろうか。                                               定年後20年~25年も悠々自適に年金だけを頼りに余生を送る者等極僅かである。而も、其の様な生活では元気な躯を持て余し、置かれた場所で余計な事に迄口を出し不和の元凶を作る。挙句の果てに、キャリアや能力を無視した意に沿わぬ再就職をし、劣悪な労働条件の下に働く無気力な高齢者ばかりが急増する。我が国の人口は、2060年には現在の約3分の2の約8700万人に減り、其の約4割が65歳以上になると推計されている。労働力が激減する時代が間も無くやって来る。政府は、外国人労働者で其れを補う事を模索するが、果たして問題は無いだろうか?欧州諸国では外国人労働者の不正労働や犯罪が多く移入を規制する方法を「日本に学ぶべき」と検討する国も有ると聞く。

「ライフワークバランス」

現在の年金制度は人生60年時代の遺物

其の時代は15歳~18歳で就職、50歳で定年である。32年~35年間年金を積み立て10年間の年金生活だが、寿命85歳の現在で60歳定年では42年間積み立て25年間の年金生活である。当然、従来の様な額の年金を受け取る事は不可能だ。「働いて年金料を収める期間」と「定年後年金を受け取る期間」のバランスを考えても、寿命が伸びた分、定年を延長し積み立て料を増やすか年金支給額を減らすかしかない。若者達は自分達の定年後に果たして年金が受け取れるか如何か疑問を抱いている。次代を担う若者達に其の様な思いを抱かせる現在の制度には欠陥がある。何時までも此の制度を続ける訳には行かない。早期に改善する必要がある。長い間の会社人間は、60歳位でサンデー毎日になると地域にも溶け込めず身の置き場にも困り、長い間、寂しい余生を送る事に為る。長寿で健康年齢も伸びた事及び働く期間と、定年後のバランス等を考慮すれば、定年を延長し、75歳位から年金生活が始まる様な設計の制度が必要になるのではないか?

年金支給開始を自動的に70歳~75歳選択制にして、働く期間の厚生年金積立料を含む社会保険料等は徴収する事とする。尚、改訂された派遣法を考慮すれば、非正規労働者は今後益々増加し、其の中には多くの若者も含まれるだろう。彼等は社会保険料等を天引きされると手取が減り現在の生活にさえ支障を来たすので、先の見えない社会保険等には加入しない。其れで雇用主も社会保険料の二分の一負担を免れる。必然的に加入者は減り、働く者の多くが加入しない社会保険等成り立つ筈も無く、社会保障のセィフティ-ネットは消滅してしまう。雇用する側の負担増対策も考慮する必要はあるが、彼等の将来を想うならば例え短期間の非正規労働者と雖も全員社会保険及び厚生年金の加入を義務付ける必要がある。若年労働者が不利益を被る事の無い様、早期に制度改定をし、改訂した年金制度への移行は新規加入者からとし、当分の間、新旧2制度を並行運用しなければならないと思う。然し、之で我が国の年金制度の維持も、若者の持つ将来への不安も取り除けるのではなかろうか。(四辻の狸)




少子高齢化のスエ―デンに学ぶ5・6・ [社会保障]

5・何故?75歳まで働く社会の提言か

ラインフェルトは、年金給付の財政への圧迫に対する危機感のみから、75歳年金支給開始年齢の引き上げに言及した訳ではない。福祉の削減のみが発言の真意ではない。それ以上に、元気な高齢者にやりがいを持って働いて貰える社会を創ろうとの考えである。その為に、国民に「働く事の意識改革」を求めたのだ。ラインフェルト首相曰く「スウェーデンの平均寿命は延びる。現在生まれた人は、恐らく2人に1人は100歳位迄生きる様になるだろう。平均寿命が大きく変り、元気に働ける健康寿命も大幅に改善される。其の様な時代に福祉国家としてのスウェーデンを維持するには、国民の働き方を変えなければならない」

6誰もがやりがいを持ち働ける社会の構築を!

その為には、働く人達の多様なキャリアパスを受け入れる体制を整える事だ。例えば55歳で会社を辞めて次の20年の為に勉強をして再び新たな会社に入る。そうした事が当たり前になる社会を創ろうと云う事だ。国民が75歳迄働く事になれば、企業も55歳から75歳迄の従業員の活用方法を編み出すだろう。ラインフェルトは以上の様な考えで、年金支給開始年齢引き上げを提言したのである。スウェーデンは共生の社会である。人と人との繋がりを大切にしている「連帯」の国だ。定年退職してしまうと、多くの人は今迄の社会との繋がり、人との繋がりを失う事になる。定年制や公的年金制度は必然的に個人を社会から切り離してしまう制度だとも言える。国民の「連帯」と定年制、公的年金制度は、矛盾する。働く事を通して、人と人とが結び付きを強くする社会では、定年制、公的年金制度は必要ない。年金支給開始年齢を75歳に引き上げる提言内容を良く読むと、その様な彼の思いを読み取る事が出来る。

*以上は北岡孝義教授著『ジェネレーションフリーの社会』を私なりに抜粋し、読み起こしてみました。                     

福祉国家として確固たる地位を築いたスウェーデンの経済学者でもある前首相ラインフェルトは、高齢化社会に対応する年金制度の在り方を此の様に考え提言したのだと思う。我が国の年金制度改定を考えるにあたり参考になる提言でもある様に思う。


少子高齢化のスエ―デンに学ぶ3・4・ [社会保障]

3・年金制度改革の断行(基礎年金の廃止) 

スウェーデンでも、20世紀後半から少子高齢化が進み、年金支出が徐々に膨らんでいった。1980年代後半に生じたバブルが1990年代初頭に弾け、我が国同様に財政が一気に赤字へと転じた。巨額な財政赤字のもと、公的年金制度を維持する事が困難な状況に陥った。危機感を持ったスウェーデン政府は、持続可能な制度を目指し、1999年に公的年金制度に大ナタを振るった。それは、国民の痛みを伴うものであった。基礎年金プラス所得比例年金の2階建ての年金制度から、所得比例年金のみの年金制度に移行した。高齢者の生活保護的な最低保障年金制度を残しながらも、国民一律の基礎年金を廃止した。 国民に政府の財政状況を訴え、国民の痛みを伴う改革を断行した。国民はそれを受け入れた。世界は、政府に対するスウェーデン国民の信頼の高さに驚くと共に、スウェーデンの公的年金制度改革を称賛した。

4・定年延長提言の真意は?

処が、その公的年金制度は基礎年金を廃止したにも関わらず、再び行き詰まり、20122月、穏健党のラインフェルト首相は、年金支給開始年齢の75歳引き上げに言及した。この発言に対して今度は、国民が納得しなかった。勿論、マスコミや野党も一斉に反発した。そして、政府に対する不信が高まってしまった。

スウェーデンの公的年金には、日本以上に多額の税金が投入されているにも拘らず維持が難しくなってしまった。少子高齢化が進んでいる事もあるが、最大の原因は再びの財政赤字である。リーマンショックや移民の急増等等に依り一層景気が悪化し、財政赤字が再び拡大してしまった。此の侭ではとても公的年金制度を支え切れぬとの危機感から、公的年金への支出を何とか切り詰めたいと考え、首相が打ち上げたのが年金支給開始年齢の75歳への引き上げである。此れに国民やマスコミは猛反発した。 ラインフェルト首相の年金制度の廃止に等しいとも取れる今回の発言には、別に真意が有った。然し、マスコミでは、其の真意は報道されていない。

JF・ラインフェルト=経済学者(John Frederic Reinfeldt:スウェーデンの第42代首相(20062014)




少子高齢化のスエ―デンに学ぶ1・2・ [社会保障]

1・成熟社会と年金 

少子高齢化の進んだ成熟社会では、現役世代の労働力が不足し、需要が低迷し、経済は低成長になり、税収は減小する。当然の事だが、高齢者が多く、年金等の社会保障費は増大する。結果、歳入減、歳出増となり、財政は悪化する。そこで、政府は財政立て直しの為に、年金給付額を減らし、高齢者の生活は年金だけでは立ち行かなくなる。 

2・将来に備えて働く意識の改革を!
内閣府『平成26年版高齢社会白書』に依れば2060年には、我が国の2・51人が65歳以上の準高齢者で、4人に1人が75歳以上の高齢者となる超高齢化社会を迎える。今の処其れを打開する方策が殆ど見当らない。其処で、何処か参考になる国はないかと世界を見渡してみると、北欧の福祉国家スウェーデンでも我が国同様に公的年金が財政を圧迫し財政収支が赤字になっている。然し、原因は資産超過でもあり、我が国と較べれば遥かに健全ではある。                                                         出生率も、OECDの「経済協力開発機構」の統計に依ればスウェーデンでは略2だが、我が国では14である。其れでも、彼の国の政治家は少子高齢化に伴う財政赤字を極端に恐れている。    


増税せずに社会保険の改訂を [社会保障]

が生きて行く為に必要な掛りは全て自前(自助)が当然である。然し、病人や未成年や老人や障害者は他人の助けを借りず独力で生活する事が困難で有ったり、不可能であったりし、家族がカバーするにしても限界がある。其処で社会に他人同士互いに助け合う相互扶助(共助)の姿が自然の形で作られて来た。此の国では其の分野である社会保障費の内、失業、医療、介護、年金等は社会保険に依り賄はれる様に決められている。

国家を形成し運営して行くには他に多様な経費が必要であるが、其れ等を賄う為には所得の再配分機能を有する税が設けられ、収入の多寡に依り応分の納入が決められている。国家運営に係る諸々の費用は当然公金で賄われるべきであるが、失業、医療、介護、年金については相互扶助の意味合いを持つ社会保険で賄うべきであり、万一、これ等を公金で補わねばならぬ異常事態が想定されるなら、当然、社会保険を改訂しなければならない。社会保険を公金で補う事は相互扶助が成り立っていない事を証明している。然るに、其の改訂もせず無暗に税を投入し、財政を先進国中最悪にしてしまった要因の調査も分析もせず、又もやの増税で財政の再建を先延しする等は、良識ある政治家の為すべき事では無い様に思う。




本来の姿に [社会保障]

年金、医療、介護、等、我が国の社会保障は社会保険に基づいて構築されている部分が多い。其の社会保険が国民の実生活からあまりにもかけ離れた内容になっている。其の為に既に1000兆円を超す赤字国債を発行して補い、財政は先進国中最悪になっている。自公民3党合意による「社会保障と税の一体改革」案が取り入れられ、消費税は既に3%アップされ、20174月には更に2%が追加される予定だ。然し、今になって与党間で20174月の増税時に食料品の1兆円に上る低減税率を決定した。其れで既定方針の2020年のプライマリーバランスゼロは困難になり財政再建は夢と消えた。社会保険で社会保障費が賄い切れぬ状態が財政赤字の主要因で有る事は自明の理である。何故、増税など考える前に、社会保険と其れに伴う諸制度の抜本的な改革を手掛けなかったか。この様な「社会保障と税の一体改革」では財政債権は愚か社会保障も充実させる事は出来ない。唯々安直に増税し投入するだけでは社会保障の充実も財政再建も出来ない之ではとても改革などとは云えない。参院選を前に既定方針の財政再建迄も打ち捨ててしまうとは、目前の選挙だけしか考えない余りにもエゲツナイやり方でとても賛成出来ない。国民の幸せを護る良識ある与党の姿は何処へ行ってしまったのか?本来両極にあるべき革新政党等と共に与党を構成する事態、無謀で形り振り構わぬ姿が見え透いている。良識を取り戻して戴きたい。国民の幸せは”真摯に議論を戦わせ結論を得る”健全な国会運営から


的の外れた「新3本の矢」 [社会保障]

安倍晋三首相が「新3本の矢」で掲げた、名目国内総生産(GDP)を600兆円に拡大する目標について経済同友会の小林喜光代表幹事は「あり得ない数値だ」と実現性を疑問視した。との報道があったが、急激な少子高齢化社会の中で現在のDNP490兆を年3%台の高率で成長させ600兆円まで増やす事など考えられる事では無い。                                          成熟社会では急激な景気浮揚等は困難である。将来の不安で社会に閉塞感が漂う中に於いては、小規模でも誰もが行く末に夢の持てる社会を着実に実現させる施策が必要である。例え経済成長率が0%台であっても、最低限若者達が結婚して子育てが出来、両親の介護迄手の届く様な社会を実現させる事が必要である。行く末に何の保証も無く、不安で貯蓄に走るよりも、確りした社会保障に守られ安心して現在の生活をエンジョイ出来る社会を実現させる事が求められる。其の様な社会が実現して始めて消費性向が高まり内需も増加する。処が、現政権は「新3本の矢」で先に述べた様な立派な目標こそ提示はしたが、其れに達する具体案(施策)が未だ出ていない。辺りを見回せば成熟社会に必要な特別養護老人ホームや保育園は既に大幅に不足している。介護士や保育士の離職者が増え、無認可の老人ホームや保育園が急増し多くの問題を提起している。その様な状況の中「1億人総活躍を約束する」事も又、絵に描いた餅である。労働人口減少は外国人の雇用を促進するだけでは解決出来ない。現実に西欧諸国では多くの外国人労働者が問題が惹起し解決に苦渋している。先の派遣労働法改正に依り、現在、我が国でも劣悪な条件の下に働く若者や女性や高齢の非正規労働者が多く発生し、何等の保証も無い不安定な身分に抗えず社会は閉塞感に満ち溢れている。にも拘らず、再度に亘る派遣法改正に依り、この様な労働者は益々増加する。之等非正規派遣労働者の社会保険加入対策はどの様にお考えか?此の儘では無保険者が続出し、何の保証も無い下流老人を増加させ、生活保護所帯を増加させる事は火を見るより鮮やかである。同時に健康な高齢者の多い成熟社会を迎え、働いて年金を収める期間と受け取る期間のバランスを見直す必要がある。仕事に熟達した健康な高齢者を定年と称し無理やり退職させ、未熟な若者や外国人に其れを引き継がせる無駄を排除すべきではないか。定年を延長し年金給付開始年齢を75歳位迄延長し、厚生年金会計も健全な姿に戻すべきである。赤字国債発行高は既に1000兆円を突破しているにも拘わらず今後、社会保障費は増加の一途を辿る。成熟社会では之等を増税等で賄う事は不可能だ。日銀の金融緩和策も大規模な公共投資等の為の多額な財政出動も最早限度である。緩和の出口をどの様にお考えか?此の国にとって集団的自衛権行使より更に重要な課題が山積している事実を認識して貰いたい。保育園も特養も不足では「1億総活躍社会」どころか女性の社会進出も儘ならない。結婚して共稼ぎで家計を賄おうとしても保育所も特養も不足では、如何にもならない。今、此の国では40歳過ぎの未婚者が増加し人口減の要因となっている。之では「出生率の1,8%」も「一億総活躍時代」も「働く女性優遇」も無理である。集団的自衛権行使に関わる法律の強行採決に依る不人気を正すにこの様に的の外れた「新3本の矢」では無理である。来年の参院選対策は国内の実情を再度詳細に調査の上、改めて公表する事を期待する。これ等の対応が遅延する様では、此の国は対外的に集団的自衛権を発動し国家存亡の危機を防ぐ以前に脆弱な社会保障の為に国家存亡の危機を迎える。


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